出雲生姜の畑は、神立(かんだち)と呼ばれる地域にあります。
出雲の市街地から、国道 9 号線を通り、斐伊川(ひいかわ)を挟んだ対岸が神立地区です。
毎年旧暦 10 月に日本中から集まった神様が、最後にこの地域から旅立つことことから、そう呼ばれるようになったそうです。

神立地域には出雲平野の一部として広い平野が広がっており、島根県下で有数の豊かな穀倉地帯となります。
農家も多く、歴史的にも農業をする土壌がある地域だといえます。
出雲生姜は、2017 年からこの地に移転し、田んぼを借りて、生姜づくりをしています。

出雲生姜では、畑からすぐ近所にある「太陽の里」という福祉施設さんに農業のお手伝いをお願いしています。
「太陽の里」さんは、県内一の農業生産を行う障がい者支援施設で、たくさんの農作物を作られています。
出雲生姜を栽培していただいたり、草取りのヘルプに来ていただいたりと、今では無くてはならない頼れるビジネスパートナーです。

社会福祉法人 喜和会  障害者支援施設 太陽の里 矢野真吾さん(58歳:2020年3月時点)
太陽の里の矢野真吾さんは、施設の創設から現在の地盤を作るまで尽力され、今でも現場の指揮をされています。
いつも明るい性格で、出雲弁でまわりを盛り上げるムードメーカー的存在。
畑ではいつも矢野さんの声が響いています。
従来の福祉施設では、内職や工芸品を作ることが一般的だった時代に、「仕事を依頼されるのを待つだけでなく、自分たちで収益の柱を作ろう」と農業に進出。
JA の後押しもあって、今では自分たちでたくさんの農作物を作り、出荷されています。
(写真左より、小桜さん、矢野さん、伊原さん)

「施設の利用者は、自分たちで野菜を作るだけじゃなくて、誰かのために働きたい、誰かの役に立つことが嬉しいという声がよく聞こえてきます。

出雲生姜さんのような受け入れ場所があるおかげで、利用者の工賃向上にも繋がり、家族にも喜ばれており、我々も嬉しいです。

これからも無理なく今の取り組みを継続させていけたら良いなと思っています。